違う世界線

「母のケアなんてしなければ良かった」

心の底から思う。母のケアをしなければ、私は自分の人生に時間を使えて、今の私の人生は大きく違っていたと思う。こんな間違えた人生をこれから50年も続けるなんて虚しい。

けれど、母のケアをしないで最初から自分のために時間を使っていたら、それはそれで後悔していたと思う。

母の癌を知って、母と関われる時間が限られていることを知っているのに、自分優先で生きてしまったら、なんで母ともっと関わらなかったんだろうと心に残っていたと思う。母が死んだあと自分を責めたとも思う。だって関わらなければ病気になったあとの母があんなに私のことを雑に扱うとも、自分勝手な人間になるとも気付けなかっただろうから。

記憶に残る母がいい人のままでいるのは幸せなことかもしれないけれど、そんな人を悲しませたと自分を責めてしまうのも地獄だと思う。

どちらの道を選んでも地獄なら、高校生のときの私はどうしたら良かったんだろう。

大人になった今、周りの人にもう少し相談して助けを求めても良かったかもしれない気もする。

でも母親があの人で、父親があの人で、姉があの人で、親戚があの人たちで、相談した担任の先生があの人だった時点で、高校生の私に選択肢なんてほとんどなかった。あれ以上取れる行動はなかったから、やっぱり私は精一杯頑張ったんだと思う。


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